アザラシ 「こやま みどり」 の受難

NPO法人 鳥取環境市民会議主催の 「これからの湖山池を考えるフォーラム」 に参加した。

水門を開放して汽水湖化され、塩分濃度が急上昇し、湖山池はどう変わったのか?

水質、魚類、水生植物、野鳥、貝類、希少野生動植物等の変化について、報告があった。

湖山池は、湖山川の付け替え、ゴルフ場開発による山の保水力の減少、化学肥料を使用する農業用水の流入、生活雑排水の流入などにより水質が悪化し、平成20年頃より赤潮、アオコ、菱等が大発生し、悪臭で周辺住民を悩ませた。

平成23年ヒシ撲滅大作戦として水門が解放され、海水が導入された。

結果、ヒシやアオコの発生は抑えられた。しかし、この方法は副作用が大きく、護岸に生えていたヨシが枯死し、そのヨシ原を住みかとしていたオオヨシキリ、カイツブリなどの野鳥の生息環境が悪化した。

ヨシの根元や流木、石などには外来種のフジツボが異常発生し、びっしりとついてきているという報告がされた。

会場からは、「水門の開放でアオコやヒシの発生が抑えられ、悪臭もなくなり、以前に比べると水がきれいになっている。海水の導入を中止しないでほしい」。

「湖山池は教育的、文化的に価値のあるもので、周辺に暮らすものがもう一度それらのことを考えて、今行われようとしている護岸工事等自然を破壊するような工事の中止を申し入れよう」。

「漁業者、農業者、住民が対立するのではなく、水門を開放する前にこのような会合をもつべきだった」。

「水門開放を決定するプロセスに環境アセスをするなどプロセスに問題はなかったのか」。等意見が出され、問題が提起された。

行政は専門家や住民の意見を十分聞いたうえでの水門開放だったのか。

奥の深い問題だ。

最後にアザラシ「こやまみどり」の今後について質問があった。

「水温が上がれば危険。しかし自分で海に出られないでしょう」。

知事や市長はこのことは承知の上で、名前をつけたり、住民票を交付したりのパフォーマンスだろうが、湖山池の将来を本当に真剣に考えてのフォーラムを聞いて、いささか情けない気持ちになった。

 

 

 

 

 

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